あせりが胸をつく
その底には 飢えがあった
あせる必要は どこにもない
表面上は 満たされていた
だが 胸は
飢えに蝕まれていた
冥い心の底で
ハム ハム ハム と
心を齧っていく
その飢えが心の膜を
喰い破り外に出るのではないか
それが 恐怖であった
何かを与えねば
あせりが加速する
しかし 何がほしいのだ
あせりにイライラが重なっていく
飢えが欲望と結びつく時
渇望が目を覚ます
どんなに刺激を与えても
それは 満たされたりしない
何かが違うのだ
その刺激が欲しいわけではないのだ
そして 心はうろつく
ハイエナのように
ある日 飢えは突然眠りにつく
次にいつ目覚めるのか
それに怯える日々が続く
救いは 突然やってきた
心が折れ 砕かれた日
次の日の朝
サッと光が差すとき
全てが見えた
臆病な自分が鎧を纏った姿
その影に怯えていたのだ
自分を飢えに追い立てたのは
自分自身だった
すまない
開放された自分が
微かに笑った
やっとここから 新たな日々が
新たな自分が 始まっていくのだ
note
若い時の自分に捧ぐといった
感じです。
何をやっても、満たされない。
そんな時があったのです。
飲みや仕事の忙しさで
ごまかしてましたけど
心の中では、違うと
いつも思っていましたね。
ブレ-キとアクセルを
一緒に全力で踏んでいた
そんな昔の話でした。